お疲れ様です!ウルグアイ駐在妻のIchikoです。
旦那様の海外赴任が決定したらどうしますか?もし、自分が努力して掴み取った、継続したいキャリアがあったら?子供がまだ幼かったら?赴任先が治安が悪い危険な地域だったら・・?
赴任先がどこなのか、子供がいるのかいないのか、自分に継続したいキャリアがあるのかないのか、などの条件によって気持ちは変わるかとは思いますが、選択肢の数は変わりません。家族帯同か単身赴任か、のみです。
このような選択肢には正解はありませんし、「利点しかない」選択肢などないと思います。どちらの選択をしても必ず「不利な点」が生じると思いますが、夫婦でしっかり話し合って出す答えは必ず「意義のある選択」だと思います。
本日は、夫の海外赴任についてきた妻としての経験を通して、妻(と子供)が夫の海外赴任について行った場合と、日本に残った場合(いわゆる単身赴任)のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
- 夫の海外赴任に一緒について行くことのメリット・デメリット
- 夫に単身赴任をしてもらう際のメリット・デメリット
- 家族帯同・単身赴任のまとめ
夫の海外赴任に同行する
メリット4選
1. 一緒にいてこそ家族!家族のありがたさを実感
私自身が強く感じるのは、海外で夫婦2人で生活するようになって、夫婦の絆がすごく深まったということ。慣れない海外生活は夫にとっても私にとっても決して簡単ではありません。そのような中で夫は少しでも私が快適に過ごせるようにと色々と気を遣ってくれるし、私も頑張っている夫のために美味しいご飯を作ろうと努力しています。
仲が深まった理由はいろいろあると思いますが、1つに私が仕事を辞めて専業主婦になったことで、それまで対等だった関係性が崩れ、夫の「妻を守ってあげないと」という思いと、私の「夫について行く」という思いが高まり、夫婦としての良いバランスができた為かな?と想像しています。こんなこと言ったら共働きでラブラブ夫婦もいるし!と思われるかもしれませんが、あくまでも私たち夫婦の場合です。
また、子供がいる場合は、夫にも育児に参加してもらうことができ、1番近くで成長を見守ってもらうこともできますよね。慣れない国でそれぞれの立場で踏ん張らないといけない環境の中、家族助け合いの絆が深まる可能性が大いにあります。
2. 海外経験で自分自身や子供達の視野が広がる
私自身、海外での長期滞在は3回目ですが、南米は初めてです。英語圏とはまた違った独特な雰囲気を持ち合わせているウルグアイ。ウルグアイ人の知り合いもでき、多くのウルグアイ文化に触れ、この年齢になってからここまで自分の価値観を一掃されるとは思っていませんでした。海外経験は初めてではないのに、です。帰国してからたくさんの人にここでの経験を伝え、多くの人に海外や言語について興味を持ってもらえるような活動をしたいな〜なんて考えるようになりました。
また、お子さんがいる方には少し不安かもしれない海外経験。お子さんが日本人学校・インターナショナル・現地校とどこに通うかで経験は異なるかもしれませんが、総じて言えるのは異文化に触れられる、ということ。幼い頃から日本文化に捕われず、異文化や違う国の人々の中で生活することは、間違いなくその後の人生の大きな大きな財産になると思います。また、子供の言語習得は速いです。マルチリンガルとして言語を駆使できる存在は、今の日本では非常に希少価値の高い、貴重な存在ですよね。
3. 新たなキャリアを模索できる
私の知る限りですが、旦那様に帯同した各国の駐在妻さん達は、本当に様々な活動をされています。
- 現地採用で就職
- 大学に通ってタイトル取得(MBAなど)
- 語学学校に通って言語習得
- オンライン講座で資格習得
- オンラインワークで収入を得る(ブログ、ライター、アフィリエイトなど)
- Youtubeで海外生活について発信
新たなキャリアを模索したり、自分のキャリアにさらなる磨きをかける大きなチャンスになると思います。私はビザの関係で働くことはできませんが、帰国してからのことを見据えて自分磨きに励むことに決めました。
もともと英語教育を専門にやってきたので、オンラインで英語教育関係の資格を取得したり、英語力を高めるべくオンラインレッスンを受けたりしています。また、第三言語としてスペイン語習得にも励んでいます。
さらに、ブログやnoteなどを通して「執筆すること」に目覚めたので、帰国してからはライターにも挑戦したいと思っているし、個人の英会話レッスン教室を開きたいと思っているので、少しずつ情報を集めたりと準備に取り掛かっています。
どれも日本で働いていた時には、忙しすぎて考えられなかったことばかり。チャンスをもらったと割り切り、スキルアップに時間を費やすことに決めました。
4. 気軽に海外旅行ができる
私が住んでいるウルグアイは日本から1番遠い国と言われています。ここまで来るには渡航費だけで相当なお金がかかるし、何より、スムーズに来れたとしても30時間以上はかかる、本当に本当に遠い国です。
なので、この期間を逃すともうチャンスはない!と思い、よく国内を旅行しています。日帰りの小旅行にしても泊まりがけの旅行にしても、心動かされることばかり。本当にありがたい経験をさせてもらっているなあと常々感じています。
南米の他の周辺国に関しても、日本に住んでいては簡単に来ることはできませんが、ウルグアイからなら比較的簡単に行き来することができます。もちろん今はコロナ禍でなかなか外には出られないですが、来年にはパタゴニア・ウユニ塩湖・マチュピチュなど、1年かけて夫と南米の世界遺産巡りをする計画を立てています。
(追記:2021年3月現在、国外旅行はかなり難しい状況になっています。泣きたい・・・)
デメリット4選
とは言うものの、やはりデメリットは付き物だなあと感じる毎日です。例えば。
1. 培ったキャリアが中断される
多くの駐在妻さん達がこれで悩む時期があると思います。せっかく努力して培ったキャリアをいったん中断しなければならなかったり、自分の専門性を生かせない生活に意味を見出せなかったりと、悶々とした日々を過ごすことになるかもしれません。
私も来た当初はかなり悩み、毎日のように泣いていました。「無職」が初めての経験だったため、毎日何をすれば良いかわからなかったのです。社会との繋がりも完全に断たれてしまい、全く何にも貢献していない自分や生産性のない毎日が無意味に思えてしまい、「私っていったい何なんだろう」「何のために生きているのだろう」と思い悩む日々を過ごす毎日でした。
もちろん、帯同休職制度を使ったり、リモートワークという形でキャリアを継続している方もいると思います。また、メリットのところにも書いた通り、セカンドキャリアを模索する良いチャンスだと前向きに捉えることができるとこの問題は解決されるのですが、最初はなかなか一筋縄ではいかないのが現状ではないでしょうか。
私のTwitterのフォロワーさんの中には、帯同中にリモートて求職活動をし、旦那様より一足先に帰国して再就職された方が何名かいらっしゃいます。そのような方々にアドバイスを仰いでみるのも1つかもしれません。
帰国後のキャリアについて考えている方は、こちらの記事を参考にしてみてください。Twitterで仲良くさせて頂いている元駐在妻さんが、とてもわかりやすくまとめてくださっています。
2. 頼れる人がいない
私が住んでいる国は日本人が非常に少なく、日本人コミュニティーがありません(日系人コミュニティはありますが、代が進んでいてどちらかと言うとウルグアイ寄り)。来た当初は買い物1つにしてもよくわからず、バスの乗り方も街への出方もわからず本当に苦労しました。
残業気味だった夫が仕事に出かけている間、1日15時間一言も言葉を発しない日が続き、ノイローゼ気味に。ちょっとお茶でも飲みに行けるような友人がいたら少しは助けられたのでしょうが、全くありませんでした。
もちろん、時が経つに連れて知り合いもできてきて、夫の職場の人たちとも仲良くなり、今は少し状況はましですが、日本の両親や友人のような、気軽に何かを相談したり会ったりできるような人はそんなにいません。
子育てをしていたら尚更ですよね。子供の学校のこと、育児や生活の悩み。祖父母や親戚と離れ、言葉の通じない異国の地で子供を育てることは容易なことではないと思います。夫以外で気兼ねなく頼ることのできる存在というのは大きいですよね。
3. 子供への負担
子供はどんな文化にも対応可能、放っておけば勝手にバイリンガルに育つ!なんてことはありません。バイリンガル教育の難しさは多くのご両親が言及していますし、子供が異文化に溶け込むことの困難さについても、子供目線で多くの方が発信しています。
子供がダブル・リミテッドの状態(日本語・外国語のどちらも未発達になる)で学習に支障をきたす例も多く報告されていますし、子供が現地校に馴染めずストレスで円形脱毛症を発症してしまった例、それまで普通に話せていた日本語にどもりが生じてしまった例、外国人だと虐められた例など、夫婦だけではなく子供の苦労話や、異国での子育ての難しさをいろいろなところで見聞きしました。
また、日本の教育にブランクが生じてしまうため、帰国してから授業について行けなかったり、受験に影響が出たりすることもあり得ます。日本人補習校が近くにあるならまだ安心かもしれませんが、ない場合はご家庭で、日本の教育に合わせて通信教育やオンラインなどで学習の手助けをする必要があるかもしれません。子供の受験に合わせて母子のみで先に帰国する方もいらっしゃいますよね。子供にも大きな負担がかかることは避けられないかもしれません。
4. 引っ越しが超大変
これは言うまでもありません。夫婦どちらかの実家が近ければ家具や電化製品を一時的に預かってもらったり、持ち家の管理をしてもらったりできるかもしれませんが、遠ければそんなわけにも行かないので、全てを売り払ったり、これを機に捨てたりしなければなりませんよね。私の場合は夫の実家で義両親と同居していたので、物を動かす必要は全くなかったので問題ありませんでしたが・・・。
夫の同僚で他国で勤務している方で、毎回駐在先が変わる度にコンテナで家具・電化製品などとにかく全てを持って引っ越しを繰り返す人がいるそうです。会社が負担してくれているのかはわかりませんが、相当な費用がかかっていることでしょう。
物理的な側面以外にも、意外と心理的に負担をかけてくるのが書類上の手続きです。出国するまでに何度市役所へ通ったことか・・・(泣)。とても辛かったです。
以上、私が思う夫の海外赴任に一緒について行く際のメリット・デメリットでした。当然、海外へ引っ越すことにデメリットはつきものですが、家族が一緒に住んで支え合うことには大きな意義があると私は思います。
夫に単身赴任をしてもらう
メリット3選
1. キャリアを継続できる
自分が努力して培った専門・キャリアがある場合、単身赴任という選択肢をとる方は多いのではないでしょうか。いったん中断してしまうと、数年のブランクがその後のキャリアに大きく影響してしまうかもしれません。帯同休職制度を使っても、自分がいない間に職場環境がどのように変化しているかわからないし、同期は先に昇進、若手もどんどんと入ってきます。働くこと、キャリアを追求することに重きを置いている場合は、単身赴任という形が合っているのではないでしょうか。
実際にうちの夫の職場にも、単身で来ていて、旦那様や奥様が日本や他国で勤務されている方が2組いらっしゃいます。国際遠距離になってもキャリアを継続しようとする姿勢、とてもカッコ良いと思いますし、世帯収入も下がることはなく将来安泰。単身赴任のメリットの1つではないでしょうか。
2. 夫の時間に合わせなくてよくなる
独身時代を思い出してみてください。好きな時間にご飯を作ったり、食べたくない日は作らなかったり。たまには外食したり、休日に友達を読んでワイワイしたり。ワイシャツなんて着る人いないのでアイロンをかける必要もないし、お弁当も作ったり作らなかったり・・・。
夫には悪いですが、夫がいないだけで家事の負担が減り、自由な生活を堪能できるのは事実です。
夫に合わせる必要がなくなるため、お子様中心の生活リズムを保つことができるのもメリットの1つかもしれません。お子様に合わせた食事内容、味付け。夜はお子様の就寝時間に合わせて一緒に寝ることができたり、夜遅くまで自分の時間を充実させたりできるのもメリットかも。残業や飲み会で遅くなる旦那様を待つ必要もありませんし、最初からワンオペ確定なので、少なくとも「ほんと家事も子育ても何もしてくれないよね!」という理由での喧嘩はなくなります(笑)。
3. 生活拠点が安定
こちらは単身赴任を選択する方の大きな理由の1つになるのではないでしょうか。決まった場所に定住できると、将来設計がしやすく、地域の方々との関係性も深まったり、人間関係が安定しやすくなります。また、土地や家を購入することを考えている方は、単身赴任の形をとることによって早めに決断に踏み切り、夫婦が若いうちにローンを組むことができますよね。
また、子供も生活環境が変わらないので、友達関係が安定しやすいですし、言語や文化、学校教育や受験、生活の心配をする必要もなくなります。子供自身が転校という不安を抱えずにすみますし、進路設計もしやすくなるのではないでしょうか。
デメリット3選
とは言え、です。やはり単身赴任でもデメリットは避けられないですよね。
1. 超寂しい
これに尽きるでしょう!1人をこよなく愛す方は別として、絶対に寂しいと思います。私は無理です(笑)。日本国内の単身赴任と違って、週1で帰ってくることもできなければ、何かあった時に駆けつけてもらうことすらできません。
アジアの国やオセアニアなら時差も少ないですが、遠い国になると時差がかなりあるため、生活リズムが合わず声が聞きたいタイミングで連絡が取れなかったり、すぐに相談したいことがあっても即効性を求めることができません。
私は結婚前から結婚後しばらく、日本と南米で遠距離でした。当時も夫が南米で駐在していたため、なかなか自由に連絡をとることができず、とても寂しかったのを覚えています。もちろんその分会えた時の喜びは倍増なのですが、それよりも毎日一緒にいさせてくれよ!と常々思っていました。
2. ワンオペ家事育児
お子さんがいる方は、完全にワンオペになってしまうので、肉体的にも精神的にも負担が増すことは避けられないいのではないでしょうか。実家が近くておじいちゃん・おばあちゃんに助けを求められる環境ならまだ良いですが、そのような環境にない単身家庭も多くあります。
私はこちらに来る直前まで日本で子供英会話教室で講師をしていましたが、お父さんが送り迎えをしてくれていたり、参観日もお母さんではなくお父さんが来てくれたりと、多くのご家庭でお父さんの協力が見受けられました。お母さんが仕事だったり、まだ小さい赤ちゃんがいる家庭は、子供の習い事に関してお父さんの協力は不可欠なんですね。
育児に関して夫婦で相談したくても、上記の通りすぐに連絡がつかない場合が多かったり、物理的距離のせいで夫が「育児から開放された」ような気持ちになってしまう、というのはよく単身赴任で聞く話です。また、お父さんが子供の成長を近くで見守ることができない、というのも悔しいですよね。一生に一時期しかない瞬間を逃してしまうのは、なんとも寂しい、悲しいものではないでしょうか。
3. 夫の生活が荒れる可能性
これは完全に私の主観と偏見ですので悪しからず・・・。食事を作ってくれたり健康管理をしてくれる妻がそばにいないため、夫の生活が荒れに荒れてしまう可能性は否めません。私自身、いつも夜遅くにクタクタになって帰ってくる彼を見て、私がもし夫の立場だったら、仕事から帰ってから夕食を手作りする余裕なんて絶対にないと思っています。事実、夫の同僚で単身や独身の方も、ほぼ毎日宅配デリバリーに頼っていると聞きました。
毎日外食なんて太るし健康に悪いに決まってる・・・日本のようにコンビニがあるわけでもないし、スーパーにヘルシーな食べ物はほとんど売っていないし・・・。
また、家族帯同と比べて夫が女性問題を引き起こす可能性も格段に高くなりますよね。まあこれは国内の単身赴任でも同じことが言えるかもしれませんが。とにかく、夫の生活が荒れる可能性は一概に否定できず、妻の不安の元となり得ます。そして、その不安が妻の精神的不安定を引き起こし、喧嘩の引き金になる。そして喧嘩が理由で精神的不安定から立ち直れず、また喧嘩するという悪循環。あ、これは遠距離時代の私たち夫婦のことでした。
以上、私が思う単身赴任のメリット・デメリットです。遠距離恋愛経験者として、いくらお互いに1人が好きでも、不安になる瞬間は絶対に訪れると思います。そこでどれだけお互いを信じ、リモートでケアし合うことができるか。これが単身赴任・遠距離結婚のキーだと思っています。
家族帯同・単身赴任まとめ
家族帯同か単身赴任か。それぞれの家庭によって事情は異なり、どちらの選択肢にも正解・不正解はありません。メリットにはデメリットが付き物だし、デメリットにはメリットが必ずついて来ます。夫の海外赴任が決まった時点で、どちらにしても苦労をすることは避けられないと思いますが、逆にどちらを選択しても意義のある判断だと思います。
大事なのは納得のいくまで夫婦でとことん話し合うこと。海外転勤という誇らしい道を与えられた夫を家族としてどう支えるか、そしてキャリアを中断したくない、でも寂しくて離れたくないという妻をどのようにケアするか。子供の教育、育児はどうするのか。夫婦間の支え合い、信じ合い、励まし合いが今以上に必要になってくると思います。とにかくお互いが納得するまで、いっぱいいっぱい話し合ってくださいね。
海外で働く旦那様を持った奥様達を心から応援しています!
Ichiko