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英語学習のすゝめ

仮定法現在:that節の中の動詞が原型に|要求・提案・主張など

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Ichiko
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こんにちは!元英語講師のIchikoです。

今日は命令・提案・要求などを表す動詞・形容詞に続くthat節の中では、主語の人称や時制に関わらず、動詞が常に「原型」になる、というお話をしたいと思います。「仮定法現在」という用法です。

例えば!

I demanded that he tell us the truth.  私は彼に真実を話すよう求めた
that節の中に注目してください。主語は “he” で三人称単数形なのに、動詞は “tell” と原型のまま。さらに、主節の動詞が “demanded” と過去形であるにも関わらず、時制の一致を受けていません。
It is necessary that the document be submitted by tomorrow.
その書類は明日までに提出されなければならない。
書類が提出されるのは「明日まで」という未来の話なのに、”the document will be” ではなく、”is” でもなく、たたの “be”。
これが「仮定法現在」。この用法はTOEICに頻出されると言われていますので、わかりやすく解説します。

仮定法現在が起こりうる状況とは?

例えば、命令・提案・要求・主張・願望などを表す以下のような動詞・形容詞を見つけたら「おっ」と立ち止まってください。

動詞
demand(要求する)、request(要求する)、desire(願う)、insist(主張する)、
propose(提案する)、suggest(示唆する)、order(命令する)、recommend (勧める)など
形容詞
necessary(必要な)、essential(不可欠な)、desirable(望ましい)、important(大切な)など

そもそも「仮定法現在」って何?

「仮定法現在」は、まだ起こっていない未来の状況について、主語や話し手が妄想したり、願望を言ったり、要求する時に使われます。that節はまだ起こっていない話、これから起こりうる先の事柄!というのが特徴です。上記の例を元に見てみましょう。

I demanded that he tell us the truth.  私は彼に真実を話すよう求めた。
私が彼に真実を話すように求めたのは過去の事実ですが、彼が真実を話すことは、単なる主語の要求にすぎず、まだ起こっていません。
It is necessary that the document be submitted by tomorrow.
その書類は明日までに提出されなければならない。
その書類が提出されるのは、これから起こる未来の話。
Ichiko
Ichiko

このように、that節内はこれから起こりうる未来の話であったり、起こるかわからない不確実な話。つまり、「仮定」の話なんですね。

なぜthat節が原型になるの?

英語では、まだ現実になっていないこと、不確実な事柄に対して原型を使うという特質があります。

I like playing the piano.
I like to play the piano.

上記2つはどちらも「私はピアノを弾くことが好きだ」という意味ですが、〜ingを使った上のほうは【既にピアノを習っている、趣味で弾いている】などのニュアンスを含むのに比べ、下のto不定詞のほうは【弾いてみたい】というニュアンスを含みます。

If it rains tomorrow, I will stay home. 明日雨が振ったら、家にいるつもりだ

「時や条件を表す副詞節では動詞は未来を表す場合もwillをつけずに現在形になる」と学校で習ったと思います。こちら、今でこそ動詞は「原型」ではなく「現在形」(主語が三人称の場合はsをつける)になりましたが、古い英語では「原型」を使っていたそう。(It it rain tomorrow…)

Speak English here. ここでは英語を話してください。

命令形も原型です。だいたい命令する内容というのはこれから起こることですね。

Ichiko
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まだ現実に起こっていないこと、これから起こるであろう事柄に対しては、時制や主語の人称に関わらず原型を使うことが多い。この英語の特徴がポイントです。

原型じゃない場合もある。それは単に「過去の事象」

insist(主張)や necessary(必要)などの単語を見つけたら、とりあえず

that節内は原型にすれば問題なしですね!

いやいや、それは大きな間違いです。以下の例文を見てください。大きな落とし穴がここに。

He insisted that the news had been true.       彼はそのニュースが事実であると主張した。
主節に “insist” (主張する)という動詞がきているにも関わらず、that節の中は時制の一致が発生しています。
“insist” が来たらいつでも原型じゃないの?と思う人もいるでしょう。しかしこの場合、that節の中は「そのニュースは事実だった」という、過去に実際に起こった話。
仮定の話をしているのではなく、事実を述べているに過ぎません。
このような場合は単純に時制の一致が発生しますので注意してください。

ちなみに・・・

イギリス英語では原型動詞ではなくshould +原型動詞の形が使われています。

I demanded that he should tell us the truth.
イギリス英語のほうが古いので、アメリカ英語ではshouldが省略されるようになったのだと最近まで思っていました。しかし、実は、イギリスでも元々は原型動詞のみだったのだそう。古い英語を使っているのはアメリカ英語のほうで、イギリス英語では後になってshouldをつけるようになったのだとか。
このような豆知識は中高の教育現場では伝えるべきかどうかはわかりませんが、知っているととても面白いですよね。言葉って不思議だな〜とつくづく思います。
Ichiko
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