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駐在妻ライフ

駐在妻の苦悩:夫の海外赴任に帯同する前に確認しておくべきこと5選

駐在妻ライフ

多くの駐在妻さんが一度はぶつかる「壁」。華やかなイメージがある「駐在妻」という肩書きですが、実際の駐妻たちは多くの悩みを抱えているのが現状です。

まだ行ったこともない地についての生活なんて、全く想像できるものではないかしれません。でも、妻がぶつかりうる「壁」について、夫婦で事前にしっかりと話し合っておくことがとても大切です。

現地に行くと妻は夫に頼りきり。夫も、慣れない海外生活だったり新しい職場のストレスだったり、さっそく残業の嵐だったりと、妻にかまってばかりいられないのが現実。

私もこちらについてから最初の1ヶ月は「なんで?どうして?もういやだ!」の連続で、早速忙しくしている夫にあたったり、気持ちのやり場をどこに向けたらよいかわからずに日中泣きじゃくったりして、精神的に不安定な毎日が続きました。

私のように現地に着いてから後悔しないように、事前に夫婦でしっかり話し合い、確認しておいて欲しいことを5つご紹介したいと思います。

駐在妻は働けるのか?VISAの種類や会社の規定

とくにバリキャリが陥る「義務感の喪失」

渡航前バリバリ働いていた人は、「専業主婦」というものに慣れていない。私がそうです。別にキャリアウーマンではなかったですが、主人よりも仕事で多忙な毎日だったのが、海外に来ていきなり無職になり、家事以外に特にしなければならないことがない、というのはとても苦痛でした。「義務感を喪失」してしまったんです。

お金を稼いでいない、社会に貢献していない、ただ夫の生活を支えるために家のことだけをする生活。生産性のない毎日に、「私の存在って何なのだろう」と自分の価値観さえも見失ってしまう日々が続きました。もし現地採用などで働くことができれば、忙しい中にも充実の毎日が待っているだろうし、帰国後のキャリアにも繋がるかもしれません。もし働く意思があるのなら、その可能性について、事前に探っておくことは大切です。

妻の就労に立ちはだかる壁:VISAや配偶者手当

夫に帯同される妻は、基本的には配偶者VISAを取得することになると思いますが、会社や国によって制限が違います。就労が許可されているのかされていないのか、事前に確認しておくことは大切です。

たとえVISA上では就労が許可されていたとしても、会社が規定する配偶者手当によって妻の労働が制限されたり、妻が働くことによって配偶者手当の内容が変わったりすることもあります。現地での就職を希望する場合は、事前に配偶者手当の内容も熟知しておくことが必要になるでしょう。

オンラインワークの可能性も

言語ができなかったり、配偶者VISAが現地での就労を許可してくれなくても、パソコンとネット環境さえあれば在宅で働くことが可能です。クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどで自分のスキルを売るクラウドソーシング、またはアドセンスやアフィリエイト、またはオンライン講師などが代表的な方法ではないでしょうか。もし現地での就職が不可能であれば、在宅ワークの可能性を探ってみるのも1つです。

ただ、収入を得るとなるとどちらにしても配偶者手当には影響が出る可能性があるので、事前に夫の会社に確認をとることが必要です。また、たとえ日本の口座に収入が振り込まれるようになっていたとしても、現地で所得の申告をしなければならない可能性があります。オンラインで働く予定をしている方はどこで所得の申告をすれば良いのか、や、現地の税制についても事前に調べておく必要があるでしょう。

帰国後のキャリアはどうするか

夫の海外赴任が決まり同行することが決まったら、今の仕事を続けることは当然できません。帰国後も現在のキャリア、ポジションを維持できるのかどうか、仕事が好きで充実している人ほど悩むと思います。

ここで選択肢として挙がってくるのが、退職か休職か、です。私は前者。帰国後もポジションを確保しておいてもらえる可能性はありましたが、私はスパッと辞めました。

私が退職を決意した理由

私は、大手の子供英会話スクールで講師として働いていました。1人で1歳〜高校生まで95名もの生徒を抱え、多忙な日々でした。もともとずっと英語畑を歩いてきた私は英語が大好きだし、何より人に英語を教えるのが大好きです。小さな子供たちがワクワクしながら教室に入ってきて、レッスンを楽しんでくれる。そしてそれを見たお父さん、お母さんも喜んでくれる。そんな仕事にとてもやりがいを感じていたし、子供たちの成長を楽しみにしていました。

しかし一方で、「私は何歳までここで働けるだろう?」「ここが私の着地地点で良いのかな?」という漠然とした不安も持っていました。さらに、仕事は超多忙。火曜日〜土曜日に自分の教室で3〜4クラスずつ持ち、そして月曜日は近隣の教室へ応援出張。さらにレッスン準備、来年度のクラス編成作成、親向けの説明会、イベントの準備、兄弟さんへの営業、講師会議、スキルアップ研修など、教えること以外の業務も満載で、黙々とタスクをこなす毎日に少し疲弊してたのも事実です。

「10年後も同じ思いで、同じモチベーションで働き続けることができるだろうか?」と考えた時に、答えは「NO」でした。「ここが私の着地地点じゃないな」って思ったときに、スパッと辞める決心をすることができたのです。

退職することで見えてくる「可能性」

正直、不安で仕方ありません!だって、何も保証されていないんですから。今までは自分の収入があり、ある程度自由だったお金の使い方も、今では夫に頼らなければなりません。不安です!

でも、この良い機会を多いに活用して、スキルアップや資格取得に時間を費やすことができています。帰国後も同種への復職を目指す人は、専門分野にさらに磨きをかけることができるし、全く新しい分野に転職しようと思っている人は、オンライン講座などを利用して資格を取得することだって可能です。元いた会社への再雇用の可能性があるかどうかも、事前に会社に確認しておくと良いかもしれません。

退職は新たな未来への扉です。

私も、「英語教育」という分野においてスキルアップをしたい、資格を増やしたい、とずっと思っていました。しかし、上記の通り仕事が多忙で、なかなか自分に時間をかけることができないのが現実でした。なので今、帰国後のキャリアの可能性を探りながら黙々と勉強&資格取得中です。

休職も1つの選択肢:メリットと懸念

会社によっては女性の職場離れ防止策として「配偶者休職制度」が整っているところも多いのではないでしょうか。もし夫の海外任期が終わり、同じ場所での職場復帰を希望するなら、使う価値がある制度です。会社によってはまだまだ未設置のところも多いし、制度の細かな内容は法整備されているものではなく、各会社によって異なりますので、まずは制度の内容をしっかりと吟味することが大切です。でも、帰国後の職がしっかりと保証され、帰国後のキャリアを案ずることなく駐在生活を送ることができるなんて、素晴らしいですよね!それだけでストレスが1つ減ります。

さらに、駐在中に自分の専門に関係する資格を増やしたり、現地でいろいろな経験をすることによって、帰国後のキャリアアップに繋がるかもしれません。

しかし、いくつか懸念も見えてきます。

いつ復帰できるか未定

多くの場合、休職制度を取得する時点で休職期間を提示しなければなりません。しかし、夫の任期が未定であったり、子供の進学等で状況が変わったりと、現時点で数年後の予測をすることが困難。あらかじめ復帰の予定をたてることができず、休職制度活用が難しい場合があります。

明確な「復帰の意思」を示さなければならない

現時点では復帰したいと思っていても、女性の場合は数年後どのようなライフイベントが起こってくるかわかりません。今子供がいない方は子供ができているかもしないし、帰国後に夫が以前と同じ支社、地域で勤務するとは限りません。産休・育休との併用を認めていない企業も多くあると聞きます。ここでもまた、帰国後の予定見立ての困難が伺えます。

数年間の「ブランク」がどのように影響するか

とくに専門職の場合、数年間現場を離れながら現役時代と同じ職業能力を維持することは困難ではないでしょうか。私はちょっと状況は違いますが、以前の会社で通訳や英語講師をしていましたが、休職してアメリカの大学院に入学しました。無事に修士を取得し、それなりの英語能力やその他の知識を携えて帰国しましたが、数年間現場を離れたことによる職業能力の衰えは凄まじかったし、追いつくのにけっこうな時間がかかりました。自分が離れている間にどんどんと若手も入ってきます。ビジネスの環境も数年で変わっているかもしれません。復職後の変化に対応できずに、そのまますぐに退職してしまう例もあると聞きます。

そのまま専業主婦になった例も

私の知り合いの話ですが、バリバリのキャリアウーマンだった人が、夫の海外赴任に伴ってスパッと退職し、同行駐在しました。もともと女性管理職が少ない会社で、現場からは退職ではなく「休職」をお願いされていました。帰国後も何度も再雇用の話を持ちかけられましたが、結局その方は職場復帰せず、それ以来ずっと専業主婦として夫の転勤に逐一同行し、楽しく暮らしています。

家族の状況によっても、会社の環境によっても、それぞれとるべき選択肢は違います。いろいろな方向性から吟味して、帰国後のキャリアについて考えたいですよね。

1人の時間をどう使うか

働けない駐妻は、日中基本的に孤独です。もともと専業主婦だった方も、こちらは外国だということを頭に置いておきましょう。もしお子さんがいれば、学校への送迎だったり、保護者会だったりと、新しい人たちとの関わりがあるかもしれません。でも、私みたいに子なしで在留邦人コミュニティがなければ、友達もできないし、平日に誰かとカフェに行ったりすることなんてありません。1日10時間以上言葉を発しないことなんて普通にあります。駐在妻は1人になる時間が増える、ということを意識して、1人の時にすることリストなどを事前に作って持って行くと、孤独でも充実した生活を楽しめると思います。

私が考える、駐在妻が1人の時にできることをリストアップしたいと思います。

語学学校に通う

現地の語学学校に通っている駐妻さんは多くいます。この機会に夫より言語が上達してしまった、という方も。私が知っているブロガーさんで、駐在妻になったことを機に言語を勉強し、日本に帰国後も勉強を続けてそのままフリーランスの翻訳家になった方がいらっしゃいます。せっかく現地にいるのに言葉を覚えないなんてもったいない!私もこちらに来て3ヶ月目から語学学校に通わせてもらっています。新しい人との関わりが増えるし、何より楽しくて毎日が充実します。

資格を取得する

あまりある時間を勉強に費やすのも1つの手です。現在では、オンラインで様々な講習を受けることができ、帰国後のキャリアと連動した資格をとることも可能ですよね。私も現在、日本から持ってきた教材で資格取得中です。日本で働いていた時はなかなか時間をとることができなかった勉強ですが、こちらに来て思う存分勉強するチャンスをもらったと思っています。

読書

こちらも、働いていた頃はなかなか時間をとれなかったことの1つ。Kindleアプリを使ってタブレットで読書しています。夫がいない1人の時間を使って、コーヒー片手にリビングで優雅に読書。なんという幸せな時間!
※海外からはAmazonでオンラインブックをダウンロードするのに制限がかかります。VPN回線が必要かもしれません。

映画・洋ドラマを観まくる

アメリカのシリーズもののドラマは一度観はじめたらハマってしまうので、1日2話までと決めるなど、自分なりに対策してください(笑)。気づいたら時間がたっていて、買い物を忘れてた!なんてこともしばしば・・・。うちは Amazon Primeを契約していますが、個人的には海外ではNetflixのほうが良いのでは、という印象です。

※2020年1月現在、VPNを介しても海外でHuluが見れなくなった、という事例が多数報告されています。うちはAmazon Primeですが、こちらは今のところ問題なく見れています。配信会社も相応の対策をとりはじめているようです・・・事前の確認をオススメします。

ブログを書く

働けない(収入を得ることができない)人でも、ブログを書くことはできます。もし本気でフリーランスを目指すなら、今のうちにコンサルを受けるなどしてブログの作り方、収益の上げ方などのノウハウを身につけておくのも1つの手です。私は今はブログ作成のみで広告は貼っていませんが、2年間でブログの技術を上げ、帰国してからアドセンスやアフィリエイトに挑戦しよう、と思っています。

他にも、ジムに通う、ランニング、待ちの散策、料理を極める、など、今までしたことのなかったいろいろなことにチャレンジできる貴重な時間です。私みたいに、現地に到着してから「あれ?何しよう・・・」とならないためにも、事前に「To-Doリスト」を作成しておくことをおすすめします。

現地の情勢、社会状況はどうか

どれだけ1人の時間を有効活用したくても、危険な国・区域での駐在を強いられている場合は、1人で外を歩くことすらままならないということも考えられます。また、特に発展途上国では、危険な感染症が蔓延していることも。現地に着く前に外務省の海外安全ホームページを確認し、危険情報や感染症についてしっかりと調べておくことが必要です。

外務省 海外安全ホームページ
海外に渡航・滞在される方々が自分自身で安全を確保していただくための参考情報を公開しております。

発展途上国に赴任される方は、社会の安全状況だけでなく、感染症の危険と主な感染源(食べないほうが良い野菜、近づかない方が良い動物や虫など)を注意して確認し、必須のものだけでなく外務省で奨励されているワクチンを全て打ってくることが大切です。とくにお子さんがいる場合は注意してくださいね。

日本食や調味料がどこまで手に入るか

慣れない海外生活での精神衛生上、日本食を食べられるか食べられないか、は、生活に大きく影響を与えます。アメリカやヨーロッパなど、先進国や日本人が多く暮らす国や地域では、日系のスーパーやアジアンマーケットなどが多くあり、少々割高かもしれませんが日本食を手に入れることはそこまで難しくないかもしれません。

ここウルグアイでは、ありがたいことに米、醤油、海苔、ワカメはスーパーに売ってますが、それくらいです。事前に「日本の食べ物や調味料はまず手に入らない」と聞いていたので、ほんだしや味噌、乾麺など買って持ってきました。本当はお茶なども持ってきたかったのですが、野菜・植物系は持ち込み禁止となっていたので、該当するかなと思い諦めました。。泣

国や地域によって持ち込み制限が違うので、こちらも外務省や現地のホームページを確認し、事前に何を持ち込むことができて何が持ち込めないのかを確認する必要があります。

外務省 海外安全ホームページ
海外に渡航・滞在される方々が自分自身で安全を確保していただくための参考情報を公開しております。

間違って持ち込むと、没収されるだけでなく罰金を支払わなければならいこともありますので、注意してくださいね。

まとめ:事前に確認するだけで最初の1ヶ月が変わる

以上、こちらに来て数ヶ月の駐妻が、自身の後悔を元に事前に確認しておくべきだったことを挙げてみました。

私は、特に就労の可能性や帰国後のキャリア、孤独な時間の使い方についてほとんど何も考えずにこちらに来ました。こちらに来てから、「よし、クラウドソーシングで働こう」と決意し夫に相談したところ、答えは「NO!」。

私が無職であることを条件に住居手当などが会社から出ているので、収入を得てしまうと採算が合わなくなるのでやめてくれ、とのこと。

ショックでした。1人の時間を使って試行錯誤し、「よし、駐在妻やってる間はオンラインで頑張るんだ!駐在妻でもお金を稼ぐんだ!」と決心したあとの撃沈でした。そこから立ち直るまで、けっこう時間がかかってしまいました。

配偶者手当についても事前に調べ、配偶者はいくらまでなら稼げるのか、とか、いくら稼いだら手当がどう変わるか、などを事前に確認しておけば良かった、と後悔しています。夫は現在超多忙で毎日残業。本社と掛け合う時間がないということで、保留にされています。

こちらに来てから後悔しないためには、とことん調べて事前に夫婦で話し合ってくることがとっても大切です!

これから生活していく上で、おそらくまだまだ出てくると思いますので、その都度アップデートしていきたいと思っています。

 

Ichiko

 

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ICHIKO'S NOTE