こんにちは!元英語講師のIchikoです。
今日は命令・提案・要求などを表す動詞・形容詞に続くthat節の中では、主語の人称や時制に関わらず、動詞が常に「原型」になる、というお話をしたいと思います。「仮定法現在」という用法です。
例えば!
その書類は明日までに提出されなければならない。
仮定法現在が起こりうる状況とは?
例えば、命令・提案・要求・主張・願望などを表す以下のような動詞・形容詞を見つけたら「おっ」と立ち止まってください。
demand(要求する)、request(要求する)、desire(願う)、insist(主張する)、
propose(提案する)、suggest(示唆する)、order(命令する)、recommend (勧める)など
necessary(必要な)、essential(不可欠な)、desirable(望ましい)、important(大切な)など
そもそも「仮定法現在」って何?
「仮定法現在」は、まだ起こっていない未来の状況について、主語や話し手が妄想したり、願望を言ったり、要求する時に使われます。that節はまだ起こっていない話、これから起こりうる先の事柄!というのが特徴です。上記の例を元に見てみましょう。
このように、that節内はこれから起こりうる未来の話であったり、起こるかわからない不確実な話。つまり、「仮定」の話なんですね。
なぜthat節が原型になるの?
英語では、まだ現実になっていないこと、不確実な事柄に対して原型を使うという特質があります。
I like to play the piano.
上記2つはどちらも「私はピアノを弾くことが好きだ」という意味ですが、〜ingを使った上のほうは【既にピアノを習っている、趣味で弾いている】などのニュアンスを含むのに比べ、下のto不定詞のほうは【弾いてみたい】というニュアンスを含みます。
「時や条件を表す副詞節では動詞は未来を表す場合もwillをつけずに現在形になる」と学校で習ったと思います。こちら、今でこそ動詞は「原型」ではなく「現在形」(主語が三人称の場合はsをつける)になりましたが、古い英語では「原型」を使っていたそう。(It it rain tomorrow…)
命令形も原型です。だいたい命令する内容というのはこれから起こることですね。
原型じゃない場合もある。それは単に「過去の事象」
insist(主張)や necessary(必要)などの単語を見つけたら、とりあえず
that節内は原型にすれば問題なしですね!
いやいや、それは大きな間違いです。以下の例文を見てください。大きな落とし穴がここに。
“insist” が来たらいつでも原型じゃないの?と思う人もいるでしょう。しかしこの場合、that節の中は「そのニュースは事実だった」という、過去に実際に起こった話。
ちなみに・・・
イギリス英語では原型動詞ではなくshould +原型動詞の形が使われています。