夫の赴任先は南米ウルグアイ🇺🇾。ブラジルの下にある小さな国です。
率直に思ったのは、「とっ遠い・・・。」
ウルグアイ赴任が決まった時、私は生徒95名を抱える子供英会話講師で、キャリアアップのために関連資格を取得中、さらに忙しい中、妊活中でした。
えっ・・私も行くよね?仕事辞めなきゃだよね?
夫のスタンスは、「ついてきてほしいけど、絶対にとは言わないよ」という、なんともあっさりしたもの。私が仕事に生きがいを感じているのを近くで見ていたので、夫なりに気を使ってくれたんですよね。
悩んだ末について行くことに決めたわけですが、夫に同行することを悩んだ理由、そして帯同を決心した理由、駐在1ヶ月が経った今の心境をまとめました。
駐在妻になることを悩んだ理由
仕事を辞められる状況じゃなかった
上にも書きましたが、夫の海外赴任が決まった時、私は子供英会話講師として働いており、1人で1歳〜高校生まで95名の生徒さんを抱えていました。
火曜日〜土曜日に自分の教室で3〜4クラスずつ、そして月曜日は近隣の教室へ応援出張。さらに来年度のクラス編成、親向けの説明会、ハロウィンイベントの準備、兄弟さんへの営業、講師会議、スキルアップ研修など、教えること以外の業務も多忙を極め、とても簡単に辞められる状況ではありませんでした。
何より、英語を教えるという仕事が大好きだったし、小さな子供たちがワクワクしながら教室にやってきて楽しんでくれ、それを見たお父さんお母さんが喜んでくれる。これが仕事の醍醐味でした。また、近くの小学校の校長先生からの依頼で英語の時間のサポートにも入っており、児童英語の分野でキャリアを積みたいと思っていた矢先の赴任決定というのもありました。
せっかく築いた新しい家族との絆を失いたくなかった
私たち夫婦は社内結婚。結婚後1年間は同職で勤務を続けましたが、その後2人で退職し、夫の実家(田舎)にUターン帰省、そこで夫の両親と同居しながら、それぞれ再就職しました(私は上記の英会話教室へ)。今時珍しいかもしれませんが、いわゆる義両親との同居生活です。
それから1年半後に決まった夫の海外赴任。夫の実家に生活基盤を移し、やっと落ち着いたところで、また夫婦で家を出ることになってしまうのです。話題の嫁・姑問題など全くなく、本当に良くしてくださる義両親。家事はほとんど義母任せでしたが(←!?)、やはり一緒に住むことで会話も増えるし、義両親と1年間ですごく関係を深めることができました。
夫も親と同居するのは17〜8年ぶり。近くで親孝行もできるし、近くに住んでいる夫の妹・弟家族、その子供たちともすごく打ち解け合うことができ、新しい家族が出来たことを心から実感している最中での海外赴任。1年半で築いてきた家族の繋がりが薄れてしまうような気がして、なんだか寂しかったのです。
専業主婦になれる気がしなかった
ビザの問題、夫の会社の制約で、帯同される私は働けないことになっています。子供もいないので育児に手がかかるわけでもないし、ウルグアイという地球の果てで、夫が仕事に出てる間1人で何をしてたらいいんだ??と思いました。結婚前も結婚してからも、仕事に奔走してきたので、専業主婦になっている自分を想像できませんでした。
もちろん、ご飯を作ったり、掃除、洗濯など主婦としての日課はあるけど、そんなの気合い入れれば半日かからないで終わります。アウトドアな性格な私。忙しくないと不安になる社畜のような気質の私が、専業主婦になれる気がしなかったのです。暇を持て余してノイローゼになるんじゃないか、って本気で思いました。
夫に同行する決心した理由
一応妊活中だった
当たり前のことですが、赤ちゃんは夫婦が一緒にいないと授かれません。バタバタと忙しい中で心のゆとりを感じれずにいたのですが、2年間の海外生活でゆっくり自己タイミングで妊活を続けるのも良いかもしれない、と思いました。
キャリアアップのための転職を模索していた
上記に書いた英会話講師。仕事が大好きで辞めたくなかった一方で、同分野での転職も考えていました。キャリアアップのためには今の仕事は辞めなきゃいけない。でも辞めたくないし、辞めるタイミングがわからない・・・。子供たちや親御さんにも会社にも申し訳ないし・・・と、なかなか踏ん切りがつかなかったんです。なので、『夫の海外赴任に同行する』というのは、退職する恰好の理由になりました。
また、今後絶対に行くことがない地球の裏側での体験が、今後の人生に大きく役に立つのではないか、と考えたのもあります。
何より、夫と離れたくなかった
結局のところ、これが1番の理由ですね(笑)。私は夫が大好きなんです。私たちは結婚前から超遠距離でした。私が日本、彼が南米のある国。結婚してからも最初の数ヶ月は遠距離結婚で、やっと一緒になれたんです。結婚してから2年半がたちましたが、また離れるなんて考えたくなかったし、それが2年間も続くだなんて、想像を絶する寂しさだと思いました。しかも、前述の通り、うちは義両親と同居です。さすがに義両親と仲良しの私でも、夫抜きで2年間同居、というのはちょっと考えられませんでした(笑)。
今の心境:駐在妻になってよかった!
キャリアアップへチャレンジする時間が持てる
日本にいた時は、仕事に精を出し過ぎて、それ以外のことには手を出せないぐらいいっぱいいっぱいの生活を送っていました。前述の資格を取得中で、そのための勉強はしていましたが、それだけ。こうやってブログを書いたり、何かを勉強して新しい生き方を模索したり、全く新しい分野に手を伸ばしたりすることは、やりたいとは思っていましたが精神的に余裕がありませんでした。
駐在妻になって世界中の駐妻(夫)さんとSNSで繋がって、ああ、こんな人生があったんだ、こんな風に働くこともできるんだ、と、その人達の精神論や生き方から多くのことを学んでいます。
それに加えて、自分がずっと勉強したいと思っていたことに少しずつ手を出し始め、やりがいを感じるようになりました。今の生活全てが帰ってからの人生に直結している!って思えるようになったんです。
スペイン語習得への挑戦
もう10年以上、英語畑を歩いてきた私。他言語に挑戦する新たな機会をいただきました!この年になって英語以外の言語を勉強するなんて思い立ちもしなかったし、今更他の言語習得なんて絶対無理だという固定観念がずっと自分の中にありました。
今は「スペイン語を話さないと生きていけない環境」にいます。夫が仕事中はずっと1人の駐在妻。家に業者が来たらスペイン語で対応しないといけないし、買い物だってなんだって全部スペイン語を使って自分でやらないといけません。「現地にいたら自然と覚えるよ〜」的な生ぬるい話でもなくて、この際だから日常会話は習得してやろう!と、1からしっかりと勉強してます。スペイン語学校に通い始めました。こんな気持ちになれたのも、こちらに同行してきたからです。
新しい人たちとの出会い
夫の職場には家族を帯同している人が少なく、それだけに会社の方々が毎日1人で過ごさなければならない私のことを気にかけてくださいます。会社のレセプションがあったら呼んでくださったり、ご飯を食べに誘ってくださったり、と、本当によくしてくれるんです。日本ではやったことのなかったお茶のお稽古まであります(笑)。
夫の職場はほとんどの日本人職員が専門職で、ずっと海外畑を歩いてきた人ばかり。それだけに、それぞれにいろんな人生があり、様々な価値観があり、話を聞いているだけで面白いし、影響を受けるんですね。私が同僚になったつもりでいるわけではないですが(笑)、日本ではありえなかったこのような出会いを大切にしよう、って思うようになったんです。
また、ウルグアイ人のお友達もでき、カフェでおしゃべりしたり、観光地を案内してもらったりもしています。今は英会話ですが、いずれはスペイン語で会話ができるよう、勉強を頑張っています。
夫婦で海外旅行計画を立てる
日本では共働きだったこともあり、どちらかに長期休暇があってもどちらかが休めなかったりして、全然旅行に行くことができませんでした。行けたとしてもせいぜい5日間くらいなので、国外旅行の計画なんて、新婚旅行以外でたてたことがありませんでした。
なので、今は長期休暇の海外旅行を楽しみに計画を立てています。南米の近隣諸国もそうですが、ここからだと南極にも行けてしまうんです!
駐在する国によって、国内や近隣にそれぞれのすばらしい観光名所が沢山あると思います。地球の歩き方を読みながら、夫婦で旅行の計画を立てるのってすごく楽しいですよ。日本では出来なかった経験がたっくさんできると思います。
終わりに
一概に、夫の海外赴任には絶対同行するべき!とは言えません。1人1人事情が違うわけですから、単身赴任を選択する人も多くいるでしょう。どちらが正しいかなんて、答えはありません。向き、不向きもあります。
帯同されるとなると、一旦はキャリアを捨てなければならない。子育てはどうしよう。日本から離れたくない。実際、言葉は通じないですし、孤独ですし、苦労は多いです。悩むのは当然ですよね。
夫に同行しない、つまり単身赴任をとる場合、どのような理由があるのかも考えてみました。
ただ私は、今の環境に身を置くようになって始めて、「来て良かったな」と思えるようになりました。日本では出会えなかった人と出会い、出来なかったことをする時間が持て、経験できなかったであろうことを経験しています。何より、夫との仲が深く深くなったと実感しています。今の環境に感謝できるようになりました。
多くの駐在妻さんがブログを書いていますから、いろいろな人の意見や思いを参考にしてみると良いかもしれません。でももちろん、大切なのは自分の思いです。自分の人生なんだから、絶対に大切にしてくださいね。
Ichiko