お疲れ様です!元英語講師のIchikoです!
先日オンラインの英語のレッスンにて、イギリス人講師からあまり日本人英語学習者としては馴染みのないことを聞かれました。
“Tell me about four types of conditionals.” (4種類の条件節、全部言える?)
海外の英語学校で英語を習った方はこの質問に適切に答えることができるでしょう。
本日はifを使って「もしも〜だったら」という文章の作り方を、ESLでの教授法をもとに解説します。
- 条件を表す副詞節(Conditional Clauses)の種類
- Type 0|事実:If I eat too much at night, I get sick.
- Type 1|可能性:If you study hard, you will pass the exam.
- Type 2|非現実な現在:If I were you, I would ask him out.
- Type 3|非現実な過去:If I had taken a taxi, I would have made it there in time.
- +α:Mixed Conditional
- 条件を表す副詞節(Conditional Clauses)まとめ
条件を表す副詞節(Conditional Clauses)の種類
Conditional Clauses(条件を表す副詞節を含む文)とは、If it is sunny, I will go out. 「晴れたら出かける予定です」と言うように、「もしも〜だったら」という条件を含む文のこと。「〜という条件なら、◯◯です」というふうに、必ずif節の条件(コンマより前)と主節の結果(コンマより後ろ)、2つの節から成り立っています。
0. If it is sunny, I go out.
晴れたら出かけます【晴れた日はいつも出かける】(習慣)
1. If it is sunny, I will go out.
晴れたら出かけるつもりです【もし晴れたら出かける予定】(可能性)
2. If it was sunny, I would go out.
もし晴れたら出かけるのになあ【晴れないから出かけられない】(非現実的な願望)
3. If it had been sunny, I would have gone out.
晴れていたら出かけていたのになあ【晴れなかったので出かけられなかった】(残念、後悔)
上記4つの大きな違いは動詞の時制と時間軸(現在のことを言っているのか、過去のことを言っているのか)、そして現実的な話なのか非現実的な話なのか、です。
ESOL(英語を母語としない人のための英語)の世界では、「もしも〜なら、◯◯」の文を、現在・過去・未来・仮定法すべてをひっくるめてConditional Clausesとして一気に習います。Type0からType3までの4つのカテゴリーがあり、Type0、Type1は現実的に起こること、Type2, Type3は非現実的、つまり日本の英語教育では「仮定法」という項目に分類されます。
「仮定法」と聞くと嫌だな〜と思う人が多いかと思いますが、Conditionalsと一括りにするとびっくりするほど簡単です。
Type 0|事実:If I eat too much at night, I get sick.
Type0(Zero Conditional) に分類されるのは、いわゆる中学校・高校の英語の教科書に出てくる普通の時・条件を表す副詞節。副詞節(コンマより前)と主節(コンマより後ろ)でどちらも動詞は現在形。とてもシンプルな形で、癖・習慣・アドバイス・事実・科学的真理などを表します。100%真実である情報であり、「これをすると(条件)、こうなる(結果)」という訳が可能です。Factual Condtional やReal Conditionalとも呼ばれます。
- If you drink a glass of wine before going to bed, you sleep well.
寝る前にワインを一杯飲むとよく眠れるよ。(アドバイス) - If ice melts, it becomes water.
氷が解けると水になります。(科学的真理) - If you work out everyday, you lose weight.
毎日運動をすると痩せる。(客観的事実) - If it’s hot, I go to the beach.
暑かったらビーチに行きます。(習慣)
Type0では多くの場合でifをwhenに置き換えることが可能です。
If I study for many hours, I get a stiff neck.
→When I study for many hours, I get a stiff neck.
ここで使う動詞は絶対に現在形よ!過去形や進行形や未来形にしないでね!
Type 1|可能性:If you study hard, you will pass the exam.
Type 1 (First Conditional) も学校の英語では時・条件を表す副詞節として習います。基本的に未来のことを言うので、主節(コンマより後ろの部分)に助動詞willが加わることがType0との違いです。可能性が高いこと・これから起こるかもしれない結果を表すので、Possible Conditionalとも呼ばれます。具体的には、ある条件下での予測・予定・約束・提案・警告・教訓などを表します。
- If I go to the movies, I will drink coke.
もし映画に行ったらコーラを飲むつもりだよ。(予定) - If you don’t eat now, you will be hungry later.
今食べないと、後でお腹がすくよ。(警告) - If you take this pill, you will get healthier.
この薬を飲むとより健康になるよ。(提案) - If you leave the window open, bugs will come in.
窓を開けっぱなしにしておくと虫が入ってくるわよ。(教訓)
Type1もifをwhenに置き換えることが可能です。しかし、whenを使う場合は可能性の度合いが高くなるので注意。
If I go to the movies, I will drink coke. (飲むかもしれない)
→When I go to the movies, I will drink coke. (映画に行ったらだいたい飲む)
※100%行っている習慣ではなく、「だいたい」というところがType1。
willの代わりにcan, may, could, mightなど推測・推量を表す助動詞が入ることもあるわよ!
Type 0とType 1: どう使い分ける?
Type0は「氷を冷凍庫から出して置いておいたら解ける」という科学的真理をただ単に述べているだけです。
Type1は、2歳とか3歳の子供にしつけをしている自分を想像してみてください。「氷って、冷凍庫から出して置いてたら溶けるのよ」と教えてあげている様子。「教訓」「教育」もType1の特徴の1つです。
また、Type1はあくまで可能性であり、100%の場合で起こる事柄ではないということを頭に入れておきましょう。例えば、上記の例文の、”If I go to the movies, I will drink coke.” というのは、あくまで今回の映画ではコーラを飲むというだけで、毎回映画ではコーラを飲む、というわけではありません。
Type 2|非現実な現在:If I were you, I would ask him out.
日本の学校では「仮定法過去」として習う条件節のType2(Second Conditional)。「もしも〜なら、今頃は◯◯なのに」と、現実には起こっていない「もしもの世界」を想像する際に使います。現実世界では起こりそうもないシチュエーション。これがポイントです。
if節は【主語+過去形】ですが、時間軸は現在です。主節は【主語+would+原型】の形。
Second Conditional(Type2)は本当に便利で面白い表現で、日常生活では実際に良く使われる表現です。「もし道端でジョージ・クルーニーに出会ったらどうする!?」と妄想に花を咲かせたり、「はあ・・・もしコロナがなかったら今頃旅行に行けてたのに・・」と後悔や残念な気持ちを表現することもできます。
- If I won the lottery, I would buy a cottage by the sea.
もし宝くじに当たったら、海辺に別荘を買うんだけどなあ。(妄想) - If didn’t submit this project, my boss would get mad.
もしこの企画を提出しなかったら、上司は怒ると思うわ。(想像) - If you had ten million dollars, what would you do!?
もし1000万ドル持ってたら、何する⁉︎ (妄想)
助動詞wouldの代わりに、might(見込み)やcould(可能性)が入ることもあるわよ。
If it was sunny, I might go out today.
(もし晴れていたら、出かけていると思うわ。)
If I had a driver’s license, I could drive a car.
(免許があったら運転できるんだけどね~。)
Type 2 の便利な使い方1.相手にアドバイスをする
If you were me, what would you do? もしあなただったらどうする?
「もし私があなただったら」と相手の立場になり、〇〇したほうが良いんじゃないかなぁと丁寧にアドバイスをする際に非常に便利です。
If節(コンマより前)では、主語の後のBe動詞はwasでもOKよ。しかしwereのほうが少し丁寧なニュアンスで、こちらのほうが良く使われているわ!
e.g. If I were you, If she were me, If I were her, If you were me…
Type 2の便利な使い方2.丁寧にお断りする
何かを頼まれた際、相手に嫌な思いをさせずに断るのは非常に難しいですよね。そんな時にType2は非常に便利なんです。
もし時間があったら東京駅まで送ってあげられるんだけどね。
こちらの短い文1つで、「時間がないから送れない」「時間があったら送りたい」という言外の意味が汲み取れます。“Sorry, I’m tied up now.” (ごめん、今忙しいわ)だけでは、相手はムッとしてしまうかもしれませんよね。
- If I knew much about this city, I could show you around.
この街について良く知っていたら、君を案内してあげられるんだけどね。
→(知らないから案内できない) - If I had enough space, I could put you up tonight.
場所があったら今夜君を泊めてあげられるんだけどね。
→(場所がないから泊められない)
Type 3|非現実な過去:If I had taken a taxi, I would have made it there in time.
ここまでのif節は、現実か非現実かに関わらず、時間軸は全て現在の話でした。Type2は過去形を使うのでややこしいですが、「〜今頃◯◯なのにな〜、◯◯だったら良いのにな〜」と、現在の心境を表現するわけです。
しかし、Type3 (Third Conditional) の時間軸は過去。それも起こらなかった過去です。「もし◯◯ということが起こっていたら、〜だっただろう」と、条件も結果もどちらも想像上の過去のシチュエーション。学校の英語では【仮定法過去完了】に分類されます。
if節は【主語+had+過去分詞】、主節は【主語+助動詞(would, might, could)+have+過去分詞】
「もしあの時もっと勉強しておけば、大学に受かっただろうになあ」などの後悔や過去を変えたいという願望を表したり、「もしあの時友達がいなかったら、私は諦めていたよ」と回避できて良かった事柄を言ったり、さらに「だから勉強しておきなさいって言ったのに!」と人に小言を言ったり・・・と非常に便利で使う場面は無限大!日常会話の中では欠かせない表現ですね。
if節は過去完了、主節はwould(might, could)+現在完了と覚えても良いわね!
- If I had left home one hour earlier, I wouldn’t have missed my flight.
1時間早く家を出ていれば、飛行機に遅れずに済んだのに。(後悔)
→(家を出るのが遅かったので、飛行機に遅れた) - If you had behaved more politely, he would have hired you.
もっと礼儀正しくしていれば、彼あなたを雇っただろうに!(小言)
→(礼儀正しく振舞わなかったので、雇われなかった) - If you had asked me, I would have come over.
頼んでくれたら駆けつけてあげたんだけどね。(過去への願望)
→(頼まれなかったので、駆けつけなかった)
Type2と同じように、wouldの代わりにmight(見込み)やcould(可能性)が使われることもあるわよ!
– If had known your visit, I could have fixed something.
あなたが来るってわかっていたら、何か(食べ物を)用意してあげられたのに。
– If I had studied a little more, I might have got at least 95% in the test.
もうちょっと勉強していれば、テストで少なくとも95点は取っただろうなあ。
+α:Mixed Conditional
ここまで見てきた様々なタイプのConditionals。これらを融合したものがMixed Conditionです。Mixed Conditioanlは、if節(もしも〜だったら)と主節(◯◯です)とで異なる時制が使われます。
現在→過去|If I wasn’t so tired, I would have helped you.
「もし今〜だったら、過去は◯◯だっただろう」と、現在の状況がこう違っていれば、過去もこう違っていたはずだ・・・と仮定します。現在から過去を見る表現です。if節は過去形を使いますが、時間軸は現在です。
if節は【主語+過去形】、主節は【主語+助動詞(would, might, could)+have+過去分詞】
- If I had a car, I could have taken you to Times Square.
車を持っていれば、あの時君をタイムズスクエアまで送ってあげられたんだけどなあ。
→(車を持っていない。だからあの時も送ってあげられなかった) - If I spoke Spanish, I would have moved to Spain.
もしスペイン語を話せたら、スペインに移住していたんだけどね。
→(スペイン語を話せない。なのでスペインに移住しなかった) - If I didn’t have a big exam today, I would have gone for a drink with you.
もし今日大事な試験がなかったら、君と飲みに行ったんだけどね。
→(今日大事なテストがあるから、飲みに行かなかった)
未来→過去のMixed Conditionalもあります。
If I was going on a trip next week, I would have worked longer hour.
来週旅行に行くつもりをしているなら(未来)、いつもより長く働いていたわよ(過去)
→(来週旅行に行くつもりをしていないので、長く働かなかった)
過去→現在|If I had stayed home, I wouldn’t be infected.
「もし過去が◯◯だったら、今頃は〜だろう」と、過去がこう違っていれば現在はこう違っていた、という予想や願望を表す表現。過去から現在を見る表現です。過去が変わったらいいのになあ・・・そしたら今ごろ◯◯なのになあ・・。という妄想や願望は、誰もが一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。
if節は【主語+had+過去分詞】、主節は【主語+助動詞(would, might, could)+原型】
- If I had won the lottery, I would own an expensive house by the sea.
もし宝くじに当たっていたら、今頃は海辺に豪邸を所有していたのになあ。
→(宝くじに当たらなかったので、今は海辺の豪邸を所有していない) - If I had moved to Hawaii, I would live a better life.
もしハワイに移住していたら、もっと良い生活をおくっているはずなんだけどなあ。
→(ハワイに移住しなかったので、良い生活をおくっていない)
条件を表す副詞節(Conditional Clauses)まとめ
ここまでType0〜Type3の4つの副詞節と、Mixed Conditionalを見てきました。難しく感じるかもしれませんが、時間をかけてゆっくりと学習すれば、必ず習得できる時がきます。
冒頭にも書きましたが、Conditional Clausesは日常会話の中でもよく使われる、人の気持ちを表す上で非常に便利な表現です。テストに出るから勉強するのではなく、英語で豊に感情表現をできるようになるために、1つずつ少しずつ進んでいきましょう。
ミニテスト
与えられたif節(条件節)に続く主節を考えてみてください。
メインメニューにあるお問い合わせフォームから回答を送ってくだされば、Ichikoが添削して返信します。Let’s try!
- If I woke up early, ______________________.
- If it rains, ____________________________________________.
- If I had studied more, ______________________________________.
Ichiko